スライドスイッチ101

Ryan Smoot/著

スライドスイッチ101

回路を流れる電流の流れを制御できる方法は様々あり、スライドスイッチはその中で最も一般的に使用されている方法の一つです。これは、スペースの制約を考慮する必要がある状況では特に当てはまります。スライドスイッチは、簡単なスライド動作によって回路の接続または切断をして、制御を実行するための便利で信頼性の高い方法を提供します。この短編ブログでは、スライドスイッチの概要について、スライドスイッチの機能、主な構成、選択時に考慮すべき点について説明します。

スライドスイッチとは?

スライドスイッチとは、電気回路の制御に一般的に使用される機械デバイスです。これは、シンプルなスライディング動作を使用して、スイッチを開位置から閉位置へ、またはその逆に移動します。接点維持型スイッチとして、スライドスイッチは手動で別の状態へと作動するまで、1つの状態のままになります。

スライドスイッチの基本図
スライドスイッチの例

一般的なスライドスイッチ構成

スライドスイッチは、多くの場合、単極双投(SPDT)構造を持つことになります。これにより、回路に供給される電力を、ある電源から別の電源に交換することができます(オンーオン動作と呼ばれます)。言い換えれば、スライドスイッチ・アクチュエータの動きは、一方の回路から他方の回路への電流の流れを方向転換させます。

SPDTオン-オンスイッチ回路図の図
SPDTオン-オンスイッチ回路図の例

単相、シングルスロー(SPST)のスライドスイッチも一般的で、オン/オフ機能を提供します。状況によっては、二重極双投(DPDT)回路が必要となり、オン/オフ構成が可能になる場合があります。また、マルチオン-オン機能のために複数のスローを持つこともできます。しかし、これは問題となる可能性があり、スイッチを適切な位置に配置することが難かしくなることがあります。スイッチの基本機能の詳細については、スイッチの基本のブログをご覧ください。

主なスライドスイッチの仕様

スライドスイッチのデータシートで指定された電気パラメータには、スライドスイッチが処理できる電流と電圧レベル、および耐電圧や絶縁抵抗などのパラメータが記載されています。データシート上にあるその他の詳細は、作動移動距離と差動に必要なオペレーティングフォースです。これらの図はすべて、特定のスイッチモデルを選択する前に参照され、完全に理解される必要があります。

スライドスイッチは、通常、表面実装、スルーホール、またはパネルマウントのスタイルもあります。適切なものとしては、製造プロセスの性質、使用可能なスペース、基板の保持に影響する可能性があるため、アプリケーションの機械的ストレスによって異なります。こちらが留意すべき追加仕様です。

仕様 代表的な仕様 説明
終端スタイル ガルウィング、PCピン、リード線、ねじ端子など さまざまなマウントオプションに対応します
定格電圧 最大 24 Vdc デバイス全体での最大電圧
電流定格 最大 500 mA デバイスを通る最大電流
アクチュエータの高さ レイズまたはフラット 以下の例を参照してください。機器に同一平面の外観が必要な場合、フラット・アクチュエータ・レベルが望ましい場合があります
ピッチ 2.54 mm または 5.08 mm ピンとピンの間の中心間距離
IP定格 定格または非定格 スライドスイッチは湿気や埃の侵入に対して耐えることができる
隆起型、またはフラット型のアクチュエータ付きのスライドスイッチの例
隆起型またはフラット型のアクチュエータスタイルのスライドスイッチの図

スライドスイッチは、サイズの観点からも定義されており、最も一般的なスライドスイッチは、サブミニチュア、ミニチュア、標準のカテゴリーです。このタイプのスイッチがその接触を維持すると、制御している回路は、ユーザーがその後のスイッチ動作をおこなうまで、その割り当てられた状態のままとなります(一方で、プッシュボタンスイッチは、維持された状態または瞬時の状態で機能します)。

スライドスイッチの用途と考慮事項

スライドスイッチは、家庭、オフィス、工業環境で、コンピューター周辺機器、家電製品、家電製品、スマートホームシステム、テスト機器、通信ハードウェア、その他多数のアイテムなどに使用できます。

エンジニアは、システム設計にどのスライドスイッチを配置すべきかを選択する前に、特定のアプリケーション特性に関してや、どのような影響があるかについて考える必要があります。問うべき質問は以下になります。

  1. どのくらいの頻度でスイッチを作動させる必要がありますか?これはスイッチの動作寿命に影響するためです。
  2. スイッチは機械的ストレスや極端な温度に曝されますか?これは動作の信頼性に大きな影響を与える可能性があるためです。
  3. 液体または粉塵の侵入の潜在的リスクはありますか?そのようなリスクがある場合、スイッチに適したIP定格を決定する必要があります。
  4. 関連する電気パラメータには何がありますか?スライドスイッチには適切な電圧と電流定格を指定する必要があるためです。

結論

スライドスイッチは、シンプルな機能を提供する、良く知られているベーシックな機械式スイッチです。多くの場合、ある状態から別の状態へと切り替えることが必要です。スライドスイッチでは、ユーザーはスイッチがどの状態で動作しているか、併せてスイッチ機構の制御が一貫して維持されているかも視覚的に正確に把握できるというメリットがあります。一般的な構成、主要な仕様、設計上の考慮事項を簡単に理解することで、エンジニアは設計に適したスライドスイッチを選択することができます。Same Skyは、コンパクトなパッケージと複数の仕様オプションを備えた様々なスライドスイッチの各種タイプを提供しています。

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Ryan Smoot

Ryan Smoot

アプリケーションエンジニア

Ryan SmootはSame Sky製品に関する幅広い知識を持っており、多岐にわたる分野の技術サポートとアプリケーションサポートを提供しています。彼が管理するSame Skyの堅牢なCADモデルライブラリは、エンジニアにとって製品設計の合理化に役立つ極めて有益なリソースを提供しています。Ryanは、プライベートな時間ではランニングや、アウトドア、妻や生まれたばかりの子供と一緒に過ごす時間を楽しんでいます。